

WHAT
観光拠点には、周辺の観光案内があります。ホテルのフロント、駅の案内所、道の駅のラック。地図やパンフレットが置かれていて、スタッフが丁寧に説明してくれることもあります。しかし、案内されたスポットに実際に足を運ぶ人はそれほど多くないのが実情です。理由は、徒歩では遠い、タクシーは高いもしくは近すぎる、バスは本数が合わない、など。情報はあるのに、行きたい人がいるのに、適切な移動手段がないことは多くあります。Vikerは、観光案内と移動手段を統合したEバイク・シェアリングサービスです。THE LUIGANS Spa & Resortで実証を行い、現在も運用を継続しています。
HOW
THE LUIGANSは海の中道に位置し、志賀島やマリンワールドなど周辺スポットに恵まれた立地ですが、公共交通が限られており、宿泊客の行動範囲はホテル周辺にとどまりがちでした。アプリ上に周辺の観光マップを用意し、自転車専用のナビゲーションで目的地までのルートを案内します。スマートフォンひとつで、行き先の確認からナビ、バイクの解錠まで完結します。バイクには、オランダ発のスマートバイクVanMoofを採用しました。スマートロックによりホテル側に鍵の管理業務が発生せず、電動アシストにより観光の合間に体力を消耗することもありません。ホテルにとっては、既に行われている観光案内の延長です。新しい業務が発生するのではなく、今ある案内にEバイクという移動手段が加わる形で設計しています。メンテナンスは自社で対応しており、ホテル側の運用負担を最小限にしています。
- 観光地にシェアバイクを導入すれば回遊性は上がりますか?
- 自転車を設置するだけでは、回遊性の向上は限定的です。観光客が実際に動くには、「どこに行くか」という情報と、「そこまで快適に行ける」という移動体験の両方が必要になります。Vikerでは、観光案内のデジタル化とEバイクを統合し、情報と移動手段をセットで提供する設計にしています。

WHY
観光拠点にレンタサイクルを置くこと自体は、珍しい取り組みではありません。ただ、自転車だけでは人は動きません。どこに行くかがわかって、そこまで快適に行けて、初めて「行ってみよう」になります。Vikerの設計では、観光客が動くために必要な体験を、「乗りたいと思えるバイク」、「体力を削られない電動アシスト」、「使いやすいマップ」、そして「現地の人が持っている情報」、と捉えています。このうちどれが欠けても、「案内はあるけど行かない」は変わりません。バイクにVanMoofを採用したのは、乗ること自体が体験になるバイクだったからです。導入の設計においては、ホテルの現場に新しい業務を持ち込まないことを優先しました。観光案内は既に行われている。そこに移動手段を重ねるだけで成立する形にすることで、運用の継続性を確保しています。
