SWANOIR
開発したテスラ用アプリケーションの画面
一般的な左ハンドルMT車シフトノブ

Tesla Model S/X 右ハンドル向けUIアプリケーション開発

右ハンドルTeslaの操作性を、アプリで解決した話

WHAT

2015年〜2020年当時、第2世代Tesla Model S/Xのタッチスクリーンは左ハンドル前提で設計されていました。メニューや操作ボタンはすべて画面左側に集中しており、右ハンドル車では運転姿勢を崩さないと手が届かない状態でした。イタリアのパートナー企業の社長との会話をきっかけに、左右ハンドルにおけるUI設計の非対称に着目。APIを利用し、右ハンドル車に最適化したWebアプリケーションを開発しました。

HOW

当時はTeslaの車内ブラウザを活用したサードパーティアプリの開発が活発で、本プロジェクトもその流れの中で生まれました。設計の起点は、左ハンドル車の操作体系です。シフトは右手で手前がローギア、ウィンカーは左手。すべて理にかなった配置になっています。テスラのタッチスクリーンUIも、左ハンドルではこの延長線上で自然に操作できる設計でした。右ハンドルではそれが崩れる。EVだからではなく、左右が反転したことによる問題です。この前提から、左手操作を基準にUI配置を再設計しました。また、トランクオープン、エアコン調整など使用頻度の高い機能を画面右側に集約。バッテリー残量と残走行距離の同時表示も実装しました。標準UIでは切り替え式だった2つの情報を、一画面で確認できるようにしています。Model S/Xそれぞれの仕様差(サンルーフの有無等)への互換性対応も行い、当時の全車種で動作する形に仕上げました。

サードパーティアプリ開発で大切なことは何ですか?
メーカーやプラットフォームが公開するAPIを活用したアプリケーション開発では、技術的に作れることと、適切な関係性の中で開発することは別の話です。API仕様の変更や利用規約への準拠、エコシステム内での信頼関係など、継続的にプロダクトを運用するには開発力だけでは足りません。本案件でも、テスラのオーナーコミュニティやグローバルなネットワークとの接点を持つ中で開発・運用を行いました。
EVのバッテリー表示はkm表示と%表示のどちらがわかりやすいですか?
一般的には、日常利用では残走行距離(km)が直感的で、充電計画を立てる場面では%表示が把握しやすいとされています。ただし、EVはエアコンや外気温、走行速度によって消費量が大きく変動するため、カタログ値ベースの残走行距離は参考程度になりがちです。ガソリン車でも燃料計の残量を感覚で読んでいるように、%表示で自分の走行パターンと照合する使い方に慣れていく方が実用的かもしれません。SWANOIRでは、%表示をベースに残走行距離を併記する形をおすすめしています。

WHY

左ハンドル車は、シフト操作もウィンカーも、すべてが合理的に配置されています。しかし、右ハンドルではその合理性が崩れます。ガソリン車の時代から存在する話で、物理的な改造を伴う従来の車では解決が難しい問題ですが、タッチスクリーンならソフトウェアで対応できます。そこを活かしたのがこのプロジェクトの出発点でした。